2013年5月18日土曜日

長崎の街をぶらり ⑱ 孔子廟

最後に訪れたのは、ここ「孔子廟」。儒教の創始者である孔子を祀った霊廟。日本各地に、孔子をお祀りする建物はいくつかあるが、その中でも唯一、中国様式の孔子廟は、ここ長崎だけ。1893年(明治26年)清朝政府と在日華人の協力で建てられた。極彩色の色使いの屋根瓦や精緻に細工された華美な装飾は、まるで中国に来たような気分にさせてくれる。





門をくぐると、池があり、その上に橋が架けてある中国式庭園があった。それぞれに意味を持っているらしい。池の前の儀門と呼ばれる門の前には、左右に2匹の福建獅子像が建っている。











儀門。色鮮やかな赤い柱が印象的だ。入り口が3つあるが、真ん中の門は閉じられている。台北にある孔子廟に行ったときにも同じだったが、真ん中を通れるのは、神様と皇帝だけだとか。だから普段は閉じられている。













門をくぐると、そこは回廊になっていて、大理石の板に「論語」の文すべてが彫られたものが掲げてあった。その回廊の前の中庭には、72個の石像が並んでいる。孔子の高弟といわれる人たちだ。中国北京の工場で作られたものらしい。それ以外のものも、殆どが中国から資材を取り寄せて造ったものだそうだ。









 大成殿。木造の神殿で、堂内に孔子像が安置されている。「有数無類」という言葉の意味は、「身分を問わず、学ぶものは誰でも入門できる。教育によって、人はどういう人にでもなれる」ということを意味しているそうだ。そういえば、何かこの言葉最近聞いたような気がする。と思い出してみると、先月行った大分・日田の咸宜園(江戸時代後期、儒学者である広瀬淡窓が開いた私塾)だった。淡窓も身分・出身・年齢などのバックグラウンドにとらわれず、全ての塾生が平等に学ぶことができるようにとしていたからだ。儒学者であった淡窓は、孔子の教えを実践して、そのような教育方針を採ったのだろう。

















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