2013年5月18日土曜日

長崎をぶらり散策⑦ 出島・オランダ商館跡

平和公園を後にして、私はトラムに乗った。長崎市内を回るには、このトラムを使うのが便利だ。代表的な観光名所には殆ど行くことができる。効率的に市内の観光スポットをめぐるには、1日乗車券を買うことを薦める。運賃500円で1日乗り放題はとてもお得だからだ。車内を見渡すと、パンフレットを見ながら「次はどこへ行こうか」と談笑している人や買い物帰りの地元の主婦や学校帰りの学生などで今狭い車内は大混雑だ。私はつり革に摑まりながら、揺れる車体に身を任せて車窓から流れていく長崎の町並みを眺めていた。程なくすると、次の目的地「出島」に到着した。
「出島」扇形をした人口の島。ポルトガル人。思い出すのはこれ位だ。歴史の時間に習った筈だが、すっかり記憶から忘れ去られていた。ここを訪れるのは初めて。
鎖国時代、唯一海外との交易を許されていた長崎。そのメイン舞台だったのがここ『出島』。1636
時の江戸幕府は、キリスト教の布教禁止と貿易の監視という名目から、ポルトガル人の居留を制限するために、有力商人に命じて、約1万5000平方メートルの「人工島」を築かせた。鎖国後は、代わって
平戸のオランダ商館がここに移り、その後210年もの間、唯一の貿易拠点としてこの島を通して、当時の西欧文化や最先端の技術を取り入れ、また逆に日本事情や文化を海外へ伝えた場所である。
明治以降、この近辺は埋立てが進み、当時の面影を残すものは無くなったらしい。90年代後半になり、
この歴史的価値のある文化遺産を再興させようと、行政を中心に一大プロジェクトが組まれ、見事に
当時の街並みや生活様式を再現したテーマパークを完成させたようだ。




最初に見える門は、「水門」荷捌き場でもあったそうだ。外国から入ってくる輸入品と、日本から海外に向けて送られる輸出品がここで検査を受けたとのこと。




門をくぐると、そこは当時の街並みが再現されている。通りを挟んで左右に建物が立ち並んでいる。まるで時代劇のセットにいるかのような感じだ。水門のすぐ傍にある「一番船船頭部屋」というところに入ってみた。二階建てになっている。一階は、倉庫として利用されていたようだ。そこには、天秤が置かれている。輸入品の砂糖などの計量に使われたようだ。





二階にあがると、そこは、当時のオランダ船の船長の居室を再現していた。障子に畳という和風の部屋だが、壁紙はモダンな柄で、調度品はすべて西洋のものである。


 







つぎに入ったのが、「カピタン部屋」といわれる所。カピタンとは、「商館長」のこと。商館長の事務所及び住居だったところを再現している。商館長の住居だけあって、とても豪華なつくりになっている。賓客をもてなす場でもあったようだ。その中でも目を見張るのは、35畳の大広間の豪華な祝宴風景。これは、当時のクリスマスを祝う宴会を模したものと言われる。













次に入った建物は、一見して、「和の風景」である。「出島乙名の部屋」とある。出島乙名という人は、日本側で貿易事務を取りおこなっていた人のようだ。今で言う、税関のような仕事をしていたのだろう。







次に入ったのが、「調理場」を再現する部屋。当時は、1日2回食事を摂っていたとのこと。その食事の用意をしたのが、この調理場。




こちらは、「出島」の模型.



















  

すべての展示物を丁寧に見て歩くと、たぶん2時間位は十分楽しめるところ。現在でも、復元作業が続けらており、今後また新しいゾーンが誕生するようだ。







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