2013年5月18日土曜日

長崎をぶらり散策④ 緑と静寂につつまれた由緒ある寺院「聖福寺」

福済寺を見学した後に向かったのは、緑と静寂に包まれた由緒ある寺院だった。そのお寺の名前は、聖福寺」。興福寺や崇福寺とともに「長崎四福寺」 の1つの黄檗宗に属する寺院である。開祖は、鉄心道胖。1677年に建立。建物の建築様式は、黄檗宗の特徴を多く残しながらも、崇福寺や興福寺に見られる独特な朱塗りではなく、和風建築に近いものとなっている。文化財も多く、威厳と静寂に満ちた風情漂わせる寺院だ。



 
山門には、『聖福禅寺』という文字が書かれた扁額が掲げられいる。これは、日本における黄檗宗の開祖・隠元禅師が81歳の時に書いたものだそうだ。



このピンク色の建物は何をするものだろう。調べてみると、「惜字亭」(しゃくじてい)と呼ばれるもの。不要になった経文などの書類を、この炉で焼却したらしい。れんが造り漆喰塗りの六角形で、かなり年季の入ったもののようだ。


次にあるのは、「聖福寺天王殿」と呼ばれる門。左右が通り抜けられるようになっている。真ん中が仏殿になっており、山門側と大雄宝殿側にそれぞれ異なる仏像がおかれている。山門側が「弥勒堂」と呼ばれ、弥勒菩薩の化身とされる布袋様が鎮座している。 大雄宝殿側は「護法堂」で、守り神・韋駄天が置かれている。






奥に進んでいくと、大雄宝殿が見えてくる。本尊は釈迦(大雄)を祀っている。全体的に、他の唐寺に見られるような極彩色の色使いは見られない。正面には、桃の絵が描いてある半扉がある。




大雄宝殿横には珍しい瓦塀がある。これは廃材の屋根瓦を使って出来たもの。様々な文様がとても美しい。



鐘楼。扉の桃の絵柄が、中国風な感じ。                                 






 このお寺のご住職が書かれた『聖福寺の普茶料理』と いう本を買った。禅宗の一派である「黄檗宗」の「精進料理」について、フルカラーの美しい写真と詳しいレシピが書かれてある。また、当寺の歴史や建築物に ついての解説も詳しい。黄檗宗の精進料理は、中国様式の影響を色濃く残している料理で、一般的な精進料理とは少し趣きを異にする。とても色彩豊かな料理 で、私自身も何回か作ってみたが、とても美味しかった。料理や長崎の歴史文化に興味のある人は、読んで楽しめる一冊だと思う。                                                         




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